京都 龍安寺「茶室・蔵六庵」
創建年
不明
推定:1500年から1600年
再建年
1600年から1630年(江戸時代前期)
1929年(昭和4年)
発願者
桂芳全久
不遠庵 僖首座
「蔵六庵」の読み方
「蔵六庵(ぞうろくあん)
「蔵六庵」の言葉の意味
「蔵六」とは、なんと!「亀」を指していると言われています。
なぜ「蔵六」なのか?「仏教の教え」
仏教には次のような教えがある。
『我欲を謹むをいう。祖底事苑に、雑阿合経に、亀あり、野干(きつね)に捕えられる。
亀は六を蔵(かく)して出さず。
野干怒って捨て去る。
仏(釈迦)諸の比丘に告げて曰く。
汝等当(まさ)に亀の六を蔵するが如くすべし。
自ら六根(眼耳鼻舌身意の欲)を蔵せば、魔も便を得ず云々』
亀の蔵六に倣ぃ、自らの蔵六となる六根(眼耳鼻舌身意の欲)を隠せば、災いが生じることもない。‥‥などの意。
話は逸れたが、1335年(建武二年)、蔵六庵は円覚寺境内に移建され、以後は円覚寺塔頭として現存す。
また、「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」の意味合いも兼ねると云われる。
六根清浄とは?
人間に備わった以下6つの力を清浄するなどの意味合いがある。
6つの力とは人間の「五感」と未知の力となる「第六感」を加えた力のこととされる。
- 眼根(視覚)
- 耳根(聴覚)
- 鼻根(嗅覚)
- 舌根(味覚)
- 身根(触覚)
- 意根(意識)
蔵六庵の歴史
1500年から1600年の間に「桂芳全久禅師(けいほうぜんきゅう)」が自らの住居兼茶室として造営したのが始まりです。
以降、千利休の孫「千 宗旦(せん の そうたん)」門下であり、龍安寺・大珠院住職兼、茶人の「不遠庵 僖首座(きしゅそ)」によって茶室として改築されています。
しかし1929年(昭和4年)に起こった火災によって焼失し、同年「僖首座」が改築した際の「茶室・蔵六庵」が忠実に再現されて今日に至っています。
蔵六庵の建築様式(造り)
蔵六庵の内部はかなり個性的な造りで、まさに茶室らしく趣を凝らした造りをしています。
茶室自体は四畳の畳敷きの部屋になっており、幅約45センチほどの中板で仕切られています。
この他、水屋の掛け窓を例として、内部には障子や窓が多数据えられています。
茶室の最奥となる「点前畳」には茶道具などを収納しておく「洞庫(どうこ)」があります。
茶室・蔵六庵の場所
茶室・蔵六庵は庫裡の奥に位置します。
通常、一般公開はされていませんが不定期に公開されることがあります。
蔵六庵が特別一般公開される時は、本物の「蹲踞(つくばい)」も間近で観ることができます。
蔵六庵の見学方法
この茶室・蔵六庵は1週間以上前に事前連絡することで拝観可能とのこと。
ただし、別途、特別拝観料金が必要になります。(500円程度です)
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