京都・仁和寺「経蔵」【重要文化財】
造営年
不明
再建年
1641年(寛永18年)から1645年(正保元年)
建築様式(造り)
方形造
大きさ
四辺:約7メートル
屋根の造り
本瓦葺
重要文化財指定年月日
1973年(明治41年)6月2日
京都・仁和寺「経蔵」の読み方
経蔵は「きょうぞう」と読みます。
経蔵とは?「経蔵の役割」
経蔵とは「一切経」と呼ばれる経典(お経)を収納しておく倉庫です。
一切経は全国の寺院にも散見されるが、仏教の根本となる考え(思想)記された経典であり、数も膨大にあります。
寺伝によると寛永年間に経典・密教儀軌などの膨大な聖教を整理した顕證(けんしょう)上人が、それら膨大な経典の数々を保管すべく、金堂(本堂)西側に経堂を建立した。
経蔵の中にあるもの
輪蔵
日本中には様々な宗派の寺院がありますが、境内に経蔵がある寺院であれば内部には一切経を収納しておくための棚があることが多い。
仁和寺の経蔵内部は全面瓦敷きで、その中央に「八角形の回転式の輪蔵(りんぞう)」と呼ばれるクソでかぃお経を収納する経函(きょうかん/=棚)があり、ここに6323巻もの膨大な密教経典が収められています。
八角輪蔵のそれぞれの面は96個もの棚があり、8面合わせて合計768個もの棚があります。
これらの棚に収められた経典(一切経)は、かつて天台宗座主・天海大僧正(南光坊天海)が1648年(慶安元年)に成立させた天海版の一切経だと伝わる。
輪蔵を回すと・・まさか?!
この輪蔵を押して回転させることで、輪蔵に収められているすべての経典を読経したのと同じだけの功徳を得られると云われております。
クソほど楽して功徳を得たい方は、力尽きるまで回転させまくりましょう!
ただし、仁和寺の経蔵は回転させることができなくなっています。残念無念!
ちなみに輪蔵も経蔵がある寺院であれば、概ね中央に設置されています。
八大菩薩の仏画と須弥壇上の仏像
経蔵内部の壁面には極彩色で八大菩薩などの仏画が描かれる。
また、中央の八角輪蔵の周囲には数体の仏像が安置されています。
京都・仁和寺「経蔵」の歴史・由来
この経蔵の創建時期は定かではありませんが、現在見ることができる仁和寺の寺観は江戸初期(寛永期)の大再建工事の末に成立した伽藍になります。
その大再建の折、工事の指揮を執ったのが「顕証(けんしょう)」と言う僧侶であり、この顕証の発願によって経蔵も新たに造営されています。
当時、仁和寺には膨大な数の密教経典が現存していたようで、これらを整理して後世に語り継ぐために発願に至ったとのことです。
京都・仁和寺「経蔵」の建築様式(造り)・特徴
仁和寺境内には和様式の堂宇が多いが、この経蔵は一貫して禅宗様を用いて建造されてい‥‥‥申す。あひゃ
花頭窓と桟唐戸
正面扉は桟唐戸(さんからど)が据えられ、その両脇には緑色の連子をハメ込んだ花頭窓(かとうまど)が見える。
円柱上下に粽(ちまき)を設け、その円柱上の頭貫の上に台輪を載せ、中備に組物(出組)を配する意匠は、いずれも禅宗様式の特徴とな〜る。
エンタシス
円柱は中央から上下にかけて微妙に傾斜があり、これは法隆寺の堂舎にみることができるエンタシスの技法が用いられています。
扁額
仁和寺・経蔵の一般公開に日程(期間)or料金or時間
通常、この経蔵の扉は閉じられ内部拝観することは叶いませんが、例年、春と秋に特別一般公開され内部拝観することができます。
※特別一般公開の日程、時間、拝観料金などは変更になる場合がありますので、公式ホームページなどで最新情報をご確認ください。
春の特別拝観
期間(日程):4月下旬から5月上旬(GW最終日頃まで)
拝観可能時間:9時から16時まで
特別拝観料金:600円(経蔵のみの日は300円)
特別拝観期間中の定休日:無休
秋の特別拝観(京都非公開文化財特別公開)
期間(日程):10月1日頃から11月下旬頃もしくは1月下旬まで※年によって変わる
拝観可能時間:10時から16時まで
特別拝観料金:大人800円、中高生400円
特別拝観期間中の定休日:無休
公式サイト:http://www.kobunka.com/(京都古文化保存協会)
京都・仁和寺「経蔵」の場所(地図)
経蔵は九所明神を向かい見て左奥、五重塔の奥に位置します。
緑色の花頭窓が目印の堂舎です。
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