金閣寺(鹿苑寺)「聖観世音菩薩坐像」
造立年
- 1678年(延宝6年)
像高
- 40.4cm
作者
- 不明
- 推定:大仏師・忠円
発願者
- 文雅慶彦
聖観世音菩薩坐像の読み方
「聖観世音菩薩坐像」は「しょうかんぜおんぼさつざぞう」と読みます。
「聖観世音菩薩坐像」とは?
「聖観世音菩薩坐像」は、鹿苑寺(金閣寺)の御本尊として祀られており、「方丈の床」より一段高くなっている「須弥段(しゅみだん)」に安置されています。
「聖観世音菩薩坐像」の脇には「梵天(ぼんてん)」と「帝尺天(たいしゃくてん)」が脇待として安置されており、これらの2仏を従えています。
一説によると1678年(延宝6年/江戸時代)に大仏師の忠円と言う人物によって造立されたと言われています。
金閣寺の「聖観世音菩薩坐像」の特徴
「聖観世音菩薩坐像」は「一面二臂像(いちめんにひぞう)」です。
つまり、顔は1つで腕が2つある像です。
坐像の高さは40.4センチメートルで、頭には宝冠をかぶっています。
手は、定印(じょういん)を結んでいます。
これは「禅定印」とも呼ばれるもので、坐禅をする際の手の組み方です。
また、「結跏趺坐(けっかふざ)」という少し素人には難しい座り方をされています。
やはりこちらも坐禅をする時の座り方です。
画像引用先:https://ja.wikipedia.org/
そもそも聖観世音菩薩とは?
聖観世音菩薩は、世界に現存する仏像の中でも最も多く造立された仏像です。
インドの南方角の「世界の果て」の海上に存在すると言われる「南海・補陀落山」という山で大勢の菩薩と共に生活しています。
聖観世音菩薩は、世の中をいつも見ており、救いの声を聞いて人々を助けるという観音菩薩です。
人々を救う時に、その相手によって33通りの姿に変化し、教えを説くと言われています。
これは、救いを乞う者に合わせて姿形を変えて、救済するからです。
おおよその菩薩の像とは、お釈迦様が出家する前の姿をモデルに造られているため、冠などのきらびやかな装飾品を身にまとっていることが多いです。
観音菩薩に共通ですが「きらびやかな宝冠」の上には、「阿弥陀如来の化仏(けぶつ)」が乗っています。
化仏とは、人々を救済する時などに見せる別の姿のことです。化仏の多くは「小さい仏様」で仏像の頭の上の冠の上などに乗っています。
そして、ほとんどの聖観世音菩薩は「左手に水瓶」「右手に蓮の花」を持っています。
聖観世音菩薩のご利益
心からの尊崇の念を込めて「聖観世音菩薩」の名前を発すると、「7つあるとされる厄災」から守護され、さらにその上、『三毒(3つの欲)』を脳裏から消除することができるそうです。
三毒
- 「食欲/貪(とん)」
- 「怒り/瞋(じん)」
- 「愚痴/癡(ち)」
金閣寺・聖観世音菩薩坐像の安置場所(地図)
金閣寺・聖観世音菩薩坐像は金閣寺の本堂にあたる「方丈(ほうじょう)」の内陣の須弥壇に安置されています。
金閣寺の境内地図と観光スポット一覧
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