金閣寺での感動を俳句に残そう!
せっかく金閣寺に行ったのですから、その思い出を俳句にしてみましょう。
でも、俳句って、どうやって作ればいいの?・・などと、お悩みのあなたに、はじめてでも簡単に作れる方法をお教えします。
まずは予習!~金閣寺で詠まれた超・有名な俳句~
俳句を作る前に、金閣寺で詠まれた俳句を見て予習をしましょう。
「水澄みて 金閣の金 さしにけり」
阿波野青畝
この俳句のおおよその意味は「鏡湖池の水が澄んで、金閣の金の色が水面にさしている」というものです。
作者は、奈良県出身で昭和を代表する俳人・阿波野青畝(あわのせいぼ)です。
作者の感動した場面を想像しよう!
鏡湖池に映し出された逆さ金閣の美しさを詠んだ俳句です。
「今まで雲がたれこめて空はうす暗かったが、なんと日の光が指してきた。」
「鏡湖池の水も澄みわたり、池に映し出された金閣も、黄金に輝きを取り戻した。」
せっかく金閣寺に来たからには、黄金に輝く金閣を見てみたいと思いませんか?
しかし天気のせいであたりはうす暗く、せっかくの金閣も暗く重たい色をしているのです。
残念に思っていた所に、日が指してきてあたりが明るくなります。
もちろん、鏡湖池に映る金閣も、日の光を受けて、水面できらきらと輝きを放ったことでしょう。
作者の心をゆさぶる美しさがそこにはあったハズです。
俳句の根っこにあるのは、作者の心の揺れ感動なのです。
その感動を「五・七・五」のリズムにのせて俳句は作られています。
この俳句には「空気が澄み、澄んだ水に、西日が射してきて、鏡湖池に映る金閣がさらに黄金に輝いてきた。」という解釈もできます。
どちらも金閣を見たときの喜びは一緒ですが、見えてくる光景は少し変わってきます。
金閣寺の俳句を作るときの季語はどれ?
俳句で大切なのは「季語」です。
季語が入る事で、その季節感、いつ詠まれたものかがわかります。
「五・七・五」でも、季語がないものを「標語」や「川柳」と言います。
この俳句の季語は「水澄みて」です。
これは「水が澄んで透明感が増してくる」という意味ですが、これだけでは季節がいったいいつなのか分かりません。
実は「水澄む」は、「秋の水」とほぼ同じ意味をあらわす秋の季語になります。
秋になると空気が冷たくなってきて、空気が澄み、川や池の水も透明感を増してきます。
空気の澄んでくる秋だからこそ、いっそう日を受けた金閣の光が美しく水面に映えたことでしょう。
この美しさは、秋だから感じられた感動なのです。
俳句では、この季節にしか出会えない感動を詠むのです。
だから季語が大事なのです。
誰でもできる!さっそく金閣寺の俳句を作ってみよう!
先人の俳句で、予習をしたところでさっそく俳句を作ってみましょう。
皆さん、ペンと紙を用意してください~ぃ。
私の言う事が聞けないようなイケナイ子はお・し・お・きダゾぅぉ♥
感動した場面を思い出す
まずは、感動した体験を思い出しましょう。
とは言っても、金閣寺で感動したことはない、と思われる方もいるかもしれません。
感動を難しく考えずに、金閣寺を拝観して一番心に残っていることを思い出しましょう。
鏡湖池にそびえ建つ金閣でしょうか、陸舟の松の大きさでしょうか、龍門の滝の水しぶきでしょうか、売店で食べたソフトクリームでしょうか。
あなたの一番を思い出してください。
「季語」を入れる
さて、俳句ですから季語をいれなければなりません。
季語と聞くと何を使っていいのか迷いそうですが、簡単にいうとその俳句がいつ詠まれたものか分かればよいのです。
そうは言ってもやはり難しいと感じる方のために、金閣寺の境内で季節をあらわすものをざっと紹介しましょう。
金閣寺の季節の俳句【春】
・山桜(鏡湖池の周りに数本)
・椿(銀河泉)
・松の花(陸舟の松)
→残雪や、雪解けなども。
あ~こホんっ!それではここで渾身の一句・・
「桜色 衣笠山と 躍動感」
金閣寺の季節の俳句【夏】
・白さぎ(鏡湖池によくいる鳥)
・花菖蒲(鏡湖池の縁に咲く)
・苔(龍門の滝、貴人榻の屋根や、富士型手水鉢に見られる)苔
・青もみじ
・イチイガシ
・水しぶき(龍門の滝)
・雨乞い(安民沢は雨乞いの場とされていました)
・冷たい抹茶(不動堂茶所)
・ソフトクリーム(売店)
→暑さや、木陰や水辺などの涼しさに関わるもの。
あ~こホんっ!それではここで渾身の一句・・
「ゾウリムシ 靴に侵入 鏡湖池で」
金閣寺の季節の俳句【秋】
・水澄む(鏡湖池の水は美しいです)
・色変えぬ松(陸舟の松)
・もみじ(参道・庭園・龍門の滝など)
→イワシ雲なども。
あ~こホんっ!それではここで渾身の一句・・
「恋心 紅葉忘れる 北山第」
金閣寺の季節の俳句【冬】
・鴨(鏡湖池によくいる鳥)
・ひいらぎ ….しゃまぁ💕 クロミさん?
→寒さや雪に関係する言葉。新年なら初○○
春の空や、秋の風など、直接春や夏を入れても構いません。
あ~こホんっ!それではここで渾身の一句・・
「積雪が 積もれど積もらぬ 華金閣 」
五・七・五のリズムで作る
何を詠むかが決まったら、あとは五・七・五の12文字におさめるだけです。
手始めに金閣を見た時の感動の俳句を作ってみましょう。
「金閣の 輝く先に ○○○○○」
美しく黄金に光る金閣の先にあなたが見たものはなんだったのでしょうか。
最期の五字を考えて見て下さい。
春なら、「山桜」、秋なら、「夕日かな」など、場面を想像して色々な言葉を入れてみましょう。
ちなみに私なら「金閣の 輝く先で アイス食べ」
季語はアイスの夏の句です。
皆がこぞって見に来る金閣の黄金の光よりも、売店で売っているアイスに目がくらんでしまった、まさに花より団子な俳句です。
金閣寺の良さは、金閣だけではないはずです。五・七・五の中に金閣や、金閣寺の言葉を必ずいれる必要はありません。
「鏡湖池」や、「夕佳亭」、「貴人榻(きじんとう)」などの言葉を入れると、後から見た時に、そういえば、金閣寺にはこんな所があったな、と思い返せていいですね。
では、貴人が腰掛け、今では観光客が列をなして座るという「貴人榻」で一句。
※注釈※貴人榻=金閣寺境内にある石。
「貴人榻 体重制限 ありますか?」
残念、季語がありませんね。
「汗かいて 一休みする 貴人榻」
夏の俳句です。これならOKですが、上の句とあわせて見ると、なんだか汗だくな人が座っているようで、風情がありません。
皆さんもかたく考えずに楽しんで俳句を作ってみて下さい。
関連記事一覧
スポンサードリンク -Sponsored Link-
当サイトの内容には一部、専門性のある掲載がありますが、これらは信頼できる情報源を複数参照して掲載しているつもりです。 また、閲覧者様に予告なく内容を変更することがありますのでご了承下さい。